こんにちは。しろヤギです。
こちらは、今週のジャンプの「僕のヒーローアカデミア」(作:堀越耕平)の画像です。

下書き状態でも、音が突き抜けてくるような作画 僕のヒーローアカデミア©︎堀越耕平
文化祭でバンドという、バトルシーンなしの回ですが、音が紙面を突き抜けてくるような、アツい描写です。
さて、画像を見てお気づきでしょうか?
そう、実はこのページ、作画が完成していない、下書きの状態なのです!
下書きの状態でも掲載する

ブラッククローバー ©︎田畠裕基 集英社
同様の事態は、大人気マンガ「ブラッククローバー」(作:田畠裕基)でもありました。
多い時で月に1回ほど。
他にも、ジャンプでは下書きの状態で掲載することがたびたびあります。
体を酷使しすぎて、連載を続けられなくなった人も
「ワールドトリガー」(作:葦原大介)は、ジャンプの看板を背負う大人気漫画なのですが、
現在は無期限休載中です。
ワールドトリガー でも、無期限休載前、下書き掲載や1週分の休載が頻発しました。

ワールドトリガー ©︎葦原大介 集英社
原因は、作者が「頚椎症性神経根症」(けいついしょうせいしんけいこんしょう)という、
首の神経を痛める病気を患ってしまったためです。
この要因を作ったのが、編集部から猛プッシュして行われた「2か月連続刊行」なのです。
これがきっかけとなり、首の病気が発症。
そして、いまだに連載再開の目処はたっていません。
選手にブレーキをかけるのが、監督の役目ではないか?
作家さんたちは「掲載したい!」という強い願望があります。
編集担当にとっては、「作家さんの意向を尊重した」といえば聞こえはいいのですが、
スポーツ選手と同じく、「ケガをしたら休ませる」のが編集担当=監督の役目ではないでしょうか?
「騙し騙し、痛みに耐えてでも自分のマンガを掲載したい。」
そう願う作家さんのプロ根性は、ほんとうに素晴らしいと思います。
しかし、結果的に執筆すらできなくなってしまっては、
それはもう「編集者の判断ミス」としか言えません。
確かに、連載がストップしてしまえば、売り上げは落ちます。
しかし、漫画が描けなくなってしまったら、それどころではありません。
今回のヒロアカ下書き掲載も、同じ予感がして不安になりました。
とはいえ、金を払っているのは読者
下書き掲載については、こんな意見もあります。
確かに、金を払って読んでいるというのはごもっともです。
清書された作画が見たいがために、仕方なくコミックスを買う人もいるかもしれません。
しかし、本当に優れた名作であれば、休載が多くても読者は必ず待っていてくれるはず。
コンテンツ過多のこの時代、作品の質を高め、愛される作品を作るためには、
時に「作者を休ませる」ことも大切なのではないしょうか?
ジャンプの今後に期待
王道少年マンガの世界で常にトップであり続けたジャンプですが、
最近は「こち亀」「BLEACH」「ナルト」といった看板マンガが次々と終了し、かつての勢いはなくなっています。
また、最近はtwitter Youtube note など個人でメディアを簡単に持てる時代になり、
「週刊誌」として掲載する意義すら無くなってきています。
時代が変わっても常にトップであり続けるために、ジャンプは大きく舵を切る必要があると思います。
ジャンプが作家にとっても良い環境になり、ワールドトリガー が再開されるのを期待しています。